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2023.03.16

大学編入

大学編入コース・春期講習フィールドワーク【阪神・淡路大震災記念人と防災未来センター】

今回のフィールドワークは神戸市中央区にある「阪神・淡路大震災記念人と防災未来センター」にやって来ました。

 こちらの施設にお世話になった理由は、大学編入コースの教員がかつてここで研究員を務めていたからに過ぎません。でも実際に参加した学生は見学後、それぞれ思うところがあったようです。

 入館すると、2ヶ所のシアターでそれぞれ震災の映像を見ました。震災を知らない世代である学生にとっては少し刺激的な内容だったようでしたが、リアルに体験した教員にとっては何か「苦い記憶」を呼び起こさせるものでした。

 続いて展示フロアに進み、様々な資料を見ることができました。



 展示フロアの一角で93歳の語り部の方から当時のお話を聴くことができました。彼女が語る言葉はリアリティあふれるモノであり、特に「自分のことは自分で守らなければならない」という言葉は私たちの心に重く響きました。







 そのあとの「ミッションルーム」という施設では、「リアルに再現された住居で、テレビで流れている気象情報から自ら状況を判断して避難する」というミッションに臨みました。



 でも、学生たちは避難するタイミングが分からず、戸惑っているうちに住居は浸水し避難することが出来なくなってしまいました(最後方で写真撮影をしていた教員だけが、学生たちを置き去りにして、ひとりでこっそり避難していたのは内緒です)。

 今回の見学を通して私たちが学んだのは、「被災者は平等ではない」ということでした。私たちに体験を語ってくれた語り部の女性は、震災当時大学に勤務されており、またソーシャルキャピタルが大変豊かな方でした。学生の「ふつうの生活に戻れるまでにどれくらいかかりましたか?」という質問に対する彼女の答えは「1年」という私たちの予想よりはるかに短いものでした。彼女にはスグに戻れる仕事があり、身を寄せることができる家族や友人が居たとのことでした。私たちが報道で見てきたのは主に「そうではない人たち」だったことに気づかされました。「災害は誰にも平等に訪れる」と考えていたのにそうではなかった、災害においても社会的不平等がある、という事実は私たちに小さくはない驚きを与えたのでした。私たちは「語り部の人と報道で見る人たちのギャップ」について語りながら帰路に就きました。

 専攻や研究テーマとは直接関係が無くても、彼らの心の中にちょっとした棘のようなものが残ったのなら、このフィールドワークには意味があったのではないかと思います。今回参加した学生は4人だけでしたが、次回はもっとたくさんの学生に見てほしい施設でした。

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